こころの劇場
3月14日(金)、鹿児島県・徳之島にてファミリーミュージカル『ふたりのロッテ』の「こころの劇場」公演が行われ、この公演をもって、2024年度の「こころの劇場」が千秋楽を迎えました。
「こころの劇場」は、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。子どもたちの心に、「生命の大切さ」「人を思いやる心」「信じあう喜び」など、生きていくうえで大切なことを、舞台を通じて語りかけたいという願いを込めて、一般財団法人舞台芸術センターと劇団四季が主催し、この趣旨にご賛同くださる多くの企業や団体、行政のご協力により、2008 年から実施しています。
今年度、全国の子どもたちにお届けした作品は、『ガンバの大冒険』『エルコスの祈り』『ふたりのロッテ』の3作品。昨年4月から今年3月までの間に、北は北海道の利尻島、南は沖縄県の宮古島・石垣島まで全国137都市で398公演行い、約50万人の子どもたちを劇場へ招待しました。
今年度からは、終演後、劇場ロビーでの出演者によるお見送りも再開され、「楽しかったです」と感想を伝えたり、元気に手を振ったりする子どもたちの姿もたくさん見られました。
2025年度の「こころの劇場」は『ふたりのロッテ』『王子と少年』『カモメに飛ぶことを教えた猫』の3作品を上演します。
※2024年度「こころの劇場」公演の活動について、3月17日(月)発刊の読売新聞朝刊(東京本社・大阪本社・西部本社 朝刊セット版)にも掲載されています。
『ふたりのロッテ』徳之島町公演 カーテンコールの様子
『ガンバの大冒険』『ふたりのロッテ』
「こころの劇場」公演レポート(沖縄・鹿児島)
およそ1年におよんだ全国公演の終盤、沖縄・鹿児島にある離島で行われた公演の様子をご紹介します。
『ガンバの大冒険』石垣島・宮古島
2月末より沖縄本島を巡演していた『ガンバの大冒険』カンパニー。地元の方々に温かいご声援をいただき本島での公演を終え、一行は3月1日(土)に石垣島に到着。空港に降り立ったカンパニーを待っていたのは、地元の皆様からの温かい歓迎。その翌々日には、カンパニーを代表して劇団四季俳優の伊藤駿佑さん、二田加奈恵さんのふたりが、石垣市・中山義隆市長をはじめ、石垣公演にご支援くださっている関係各社の皆様を表敬訪問しました。
現地の方々への感謝を胸に臨んだ5日(水)の一般公演。終演後にはポスターを贈呈し、今年も公演が無事終了したことを喜び合いました。
続く6日(木)には「こころの劇場」公演を実施。島内の子どもたちだけではなく、石垣島と隣接する竹富島、黒島、小浜島、波照間島、西表島の子どもたちも船に乗って来場しました。物語が始まると、 会場に集まった29校約730名の子どもたちから、仲間とともに船に乗り冒険に出るガンバたちへ、熱い視線が注がれます。終演後には、劇場ロビーで出演者によるお見送りも実施され、子どもたちと俳優たちの笑顔がはじけました。石垣市立平真小学校6年の村吉喜衣さんは「ガンバから挑戦する勇気を学びました。歌、ダンス、演技、舞台セットのすべてがすごくて引き込まれました!」と話してくれました。
石垣島での公演を終えたカンパニーは、次の公演地であり、『ガンバの大冒険』での「こころの劇場」の終着点となる宮古島へ。10日(月)に行われた宮古島公演でも子どもたちの笑顔が溢(あふ)れ、カンパニーは最後まで子どもたちと心温まるひと時を共有しました。
『ふたりのロッテ』種子島・奄美大島・徳之島
3月5日(水)、鹿児島県の種子島に到着した『ふたりのロッテ』カンパニー。
7日(金)には「こころの劇場」を2公演にわたり実施。西之表市、中種子町、南種子町の26校の子どもたちが来場し、客席は温かい拍手に包まれました。
その後、奄美大島へ移動をすると、10日(月)には奄美川商ホール(奄美市名瀬長浜町)でスタッフたちによる舞台仕込みが開始。島へ運び込んだ大きな舞台セットを組み上げ、子どもたちに物語を届ける準備を整えます。
また同日には、カンパニーを代表して劇団四季俳優の大河原萌乃佳さんと田原沙綾さんが、諏訪哲郎副市長、向美芳教育長、正本英紀教育部長を表敬訪問。激励のお言葉をいただきました。
11日(火)に行われた公演には、奄美大島内の奄美市、龍郷町、瀬戸内町、宇検村、大和村の38校の子どもたちが来場。ロッテとルイーゼが家族の絆(きずな)を取り戻そうと奮闘する姿に大きな拍手が送られ、心からこの物語を楽しんでいるようでした。
次にカンパニーが移動した先は徳之島。今年度最後の「こころの劇場」となった14日(金)の徳之島町公演には、徳之島町、天城町、伊仙町から22校が来場し、会場は和やかな雰囲気に包まれます。カーテンコールではたくさんの拍手とともに、ロッテやルイーゼに笑顔で手を振る子どもたちの姿が見られ、ロビーでの俳優たちによるお見送りでは元気にハイタッチを交わしていました。
また終演後には、本公演の主催の皆様との懇親会が開かれ、伝統芸能の徳之島闘牛太鼓や島唄をご披露いただきました。四季からは俳優の佐和由梨さんがご挨拶。さらに帰りの空港では、徳之島町・天城町・伊仙町の教育委員会の皆様がお見送りに来てくださり、最後まで島の方々との交流が深まる素敵な時間を過ごしました。
こうして1年におよぶ旅を終えた2024年度「こころの劇場」公演。これからもより多くの子どもたちに演劇の感動を届けるため、ご支援をいただいております企業や団体、地元の教育委員会等の皆様と協力しながら、この活動を続けてまいります。