こころの劇場
2023年9月から日本全国を巡演し、今年8月に千秋楽を迎えたファミリーミュージカル『エルコスの祈り』。公演も残りわずかに迫る8月下旬、カンパニーは北海道・利尻島を訪問しました。
全国各地の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けたいという想いが込められた「こころの劇場」。劇団四季のスタッフ、キャストは「北は北海道・利尻島から南は沖縄県・石垣島まで」を合言葉に、毎年子どもたちに舞台を届けることを心から楽しみにしています。今年は『エルコスの祈り』のほかにも『ガンバの大冒険』『ふたりのロッテ』を全国各地で上演し、合計約50万人の児童を招待する予定です。
8月20日(火)、カンパニーは気持ち良い青空のもとフェリーで稚内を出発し、利尻島に到着。利尻島の鴛泊(おしどまり)港では、利尻町役場の皆様が横断幕を掲げて迎え入れてくださいました。劇団四季の俳優たちも船上から手を振って歓迎に応えます。船を降りた後は、まず夕焼けに染まる利尻富士を背景に記念撮影。温かな交流のひと時となりました。
21日(水)には、カンパニーを代表して俳優の久居史子さん、秋山一哉さん、名児耶洋さんの3人が礼文町・今野直樹副町長、竹中俊一教育長を訪問。同じく俳優の藤原加奈子さん、松井龍太郎さんが、利尻富士町・島谷一郎副町長、吉田秀昭教育長、利尻町・澤谷敬副町長、宮道信之教育長を訪問いたしました。俳優たちが訪れた観光スポットの話、豊かな自然やおいしい食べ物の話など、魅力いっぱいの島の話題で和やかな雰囲気に。劇団四季のファミリーミュージカルを子どもたちが毎年楽しみにしているという話を伺い、俳優たちも一層気合が入ります。
翌日22日(木)、会場である「利尻町交流促進施設どんと」では朝から舞台仕込みが始まりました。夕方からは俳優も含め、本番に向けたリハーサルを実施。子どもたちに舞台の感動を届けるために、準備を万全に整えました。
公演当日である23日(金)。利尻町、利尻富士町、そして利尻島の北西約20キロメートルに浮かぶ礼文島より、小学校1年生から高校3年生までの児童・生徒たちが来場。礼文島の子どもたちを乗せたフェリーも無事到着し、予定されていたすべての町の学校を迎えることができました。また、一般財団法人舞台芸術センター代表理事の喜田哲弘も駆けつけ、カンパニーを激励しました。
子どもたちは開演前から熱心にリーフレットを読み込み、期待に胸を躍らせている様子。コミカルなシーンも多い本作、幕が上がると次第に客席は笑い声で包まれます。上演中には舞台を食い入るように見つめ、作品の世界に惹(ひ)きこまれている様子や、幕間には劇中の台詞を真似したりする児童の姿も。終演後には「楽しかったです!」といった声がロビーで聞こえてくるなど、心から作品を楽しんでいる様子が伝わる公演となりました。
公演をご覧になった利尻町・宮道信之教育長からは「今日の公演を子どもたちも先生方も、とても楽しみにしていました。いつも劇団四季の舞台からは大きなメッセージとパワーをもらっています。子どもたちも今日の舞台を通じて、一人ひとりが何かしらのメッセージを受け取ってくれていると思います」とお言葉をいただきました。
ご支援してくださる皆様と手を携えながら、これからも全国各地の子どもたちへ、観劇の輪を広げてまいります。